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池袋東口法律事務所
2.離婚の子供問題
(2)養育費のすべて
1.養育費とは何か?
養育費とは、子供が社会人として自立するまでに必要になる費用のことをいいます。
親には、子供を養育し自分と同程度の生活をさせる義務があります。養育費は、父母のどちらに親権があるかに関係なく、双方が経済力に応じて分担します。
養育費は、通常、「子供を育てない親」が、「子供を育てる親」に支払います。
しかし、養育費は、子供を育てる親の権利ではありません。「子供の権利」です。養育費を払う親も受け取る親も、養育費は子供のために払い、受け取るのだと考えてください。
なお、養育費は財産分与や慰謝料とは別に計算されます。
2.養育費支払い期間は?
通常、子供が20歳になるまでですが、例えば、親が大卒の場合、子供に親と同じ教育を受けさせるという意味で、22歳までと決めることもあります。
3.養育費の金額は?
金額は、父母の話し合いで決めればいくらでもOKです。
しかし、だいたいの相場があることもまた事実です。統計的には、子供1人の場合月額2万〜3万、子供2人で4万〜5万という例が多いです。
調停で決める場合、父母のそれぞれの収入や資産に応じて金額を計算します。
なお、家庭裁判所が、「養育費算定表」というのを出しています。この表は、父母の話し合いで養育費の金額を決める時も目安になるでしょう。
この表は家庭裁判所のホームページに掲載しています。また、家庭裁判所の家事相談コーナーで聞けば教えてくれると思います。
この度、当サイトでも、表の一部を転載しました。
★裁判所による養育費算定表
→養育費月額の目安(離婚資料集)
4.養育費が支払われない!?
ショッキングな調査があります。養育費を離婚後にちゃんと受け取っている人の割合は、離婚した人全体の2割程度しかいないそうです。
養育費が支払われない原因にはいろいろあるようです。中には、養育費を受け取る側が自主的に断る例もありますが、多いのは、払う約束をしたのに相手が払わなくてどうしようもなく泣き寝入りしている、というような悲惨な話のようです。また、そもそも協議離婚の際に養育費の取決めをしていない人も多いとか…。
養育費は、黙っていたら天から降ってくるお金ではありません。離婚した相手から取らないといけない、難しい性質のお金です。きちっとしておかないと貰えないのです。次の項目を参照。
5.養育費の支払い確保!
状況によって方法は違います。
★これから協議離婚の場合
財産分与や慰謝料のことと合わせて、養育費について、分担額や支払の方法、支払い期間などを具体的に定め、書面を作りましょう。
これは離婚届とは別です。別に書面を作るのです。(作成例はコチラ)
そして、金銭に関する支払約束は、「強制執行認諾文付きの公正証書」にしておくのがベストです。これがあると、相手が支払わない時に、相手に資産か収入があれば、強制執行ができます。強制執行とは、例えば相手の給料を差し押さえたりすることです。(協議離婚のすべて参照)
★これから調停離婚の場合
調停で作る調停調書に養育費のことを記載すれば、それで強制執行ができます。
便利・簡単ですね。当サイトでは、離婚には調停の積極的な利用を勧めます。時間はかかりますが、何かと安心な手続です。(詳しくは離婚調停参照)
★既に離婚してしまった!
過去の分も請求できます!!今からでも養育費を請求しましょう。相手が応じない場合は、養育費請求の調停をして下さい!
6.貧乏でも支払う!養育費
よく、お金がないから養育費を支払わない、という親がいます。こういう言い訳は通用するのでしょうか?
法律では、親が子供を養育する義務というのは、親に余裕があるなら養育する、というような、生易しい義務ではありません。
例え食べるものがパンひとつしか残されていなくても、それを半分にして子供に与える、それ位の義務とされています。
ですから、例え毎月の生活費が足りなくても、その生活費から出さないといけないし、リストラされて収入がなくとも、退職金や失業手当があれば、そこから出さなければなりません。
なお、養育費の金額の変更を求めることはできます。(次の項目参照)
7.知っ得!?養育費!
★チェックポイント!養育費
・養育費金額は変更可
リストラされて、養育費を払えない…。でも「強制執行認諾文付きの公正証書」や「調停調書」があって、払わないと強制執行される…(涙)。
そんな時には、相手と話し合い、減額を検討して下さい。相手が応じないなら、養育費の減額を求めて調停ができます。
ただし、一度決めた金額の減額には、病気、リストラなど、それなりの理由が必要です。
逆に、養育費の増額を求めることもできます。これも、それなりの理由が必要です。
・公正証書や調停調書を!
これがないと、相手が支払わないとき、そのままでは無理やり払わせることができません!
改めて調停をしないといけない!!
面倒でも、ちゃんと書類を作って離婚するのがベスト!!
・過去分も請求可!
養育費は、時効にならない限り、過去の分までさかのぼって請求できます。
養育費を決めずに離婚してしまった場合、今からでも請求しましょう。
過去の分がたまっているわけですから、結構な金額になります!Let's調停!
・困ったら調停!
養育費関係のことは何でも調停ができます。利用しましょう。
別れた相手に養育費を渡すのは気分が悪い!?
でも、養育費は別れた相手のためではありません!
子供のためです!親なら払って!
受け取る親も、無駄遣いはNG!…子供のために使って!
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