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池袋東口法律事務所
2.実戦!離婚調停
(2)調停が必要な具体例
具体的に、どんなときに調停をしたらいいのか?
自分の場合はどうしたらよいのか?
実際には、よくわからないことが多いと思います。
そこで、概略で触れた他の、調停が必要な具体例を、いくつか挙げておきます。
★確実に年金分割をしたいとき
年金分割は財産分与の一つですから、裁判までいかなければ、夫婦の合意で決めることになるのですが、協議で夫婦の合意ができないときは、調停で決めることになります。
また、協議で年金分割について夫婦の合意ができたとしても、それとは別に、社会保険事務所での年金分割の手続きが必要になります。
この手続きには、離婚した夫婦双方が出向くことが必要です(代理人でも可)。双方が出向くことができないときは、夫婦の合意を公正証書にしたものを持っていくか、調停調書・判決が必要になります。
つまり、ただ協議離婚するだけでは、公的な書類が何もないですから、離婚した夫婦が直接社会保険事務所に出向かなければ、年金分割の手続きができないのです。
離婚しても仲良し元夫婦ならよいですが、普通は離婚した後に、こういう共同作業をするのはちょっと大変ですよね。
公正証書を作るのでもよいのですが、相手が公正証書を作るのを面倒がることも多いですし、数万円の費用もかかります。行政書士などに依頼すれば多少楽ですが、さらに費用がかかります。
ところが、これが調停離婚ならば、調停調書がもらえますから、年金分割の手続きは安心、簡単です。お金もあまり要りません。ただ時間は少しかかります。
どの方法が良いのかは皆さんの事情次第ですが、調停だと安心かなという気はします。
★相手の親などが出てきて相手と話せないとき
いわゆるマザコンとか過保護とかいう話ですが、最近の夫婦の一つの特徴として、大人になっても親から自立できていないというケースが割とよくあります。
結婚しているのは夫と妻なのに、何かにつけすぐに親が出てきて、離婚するもしないも、親があれこれいう。本人の意思があるのかないのかよくわからない。あったとしてもすぐ親が出てきて本人が意見を言えない。
そういうとき、調停は本人のみ出席です。結婚の当事者である夫婦で話を進めることができます。
親との関係の問題について、調停で話題にすることもできるでしょう。
★夫婦の力関係に大きな差があるとき
夫婦の年齢差があって対等な話し合いができないとか、どちらか一方がやたら口がうまく口で対抗できないとか、最近DVやモラルハラスメントという言葉もありますが、いろんな理由で、公平な話し合いができなくなっている夫婦があります。
そういう夫婦が協議離婚をすると、公平な離婚条件になりません。
公平な条件でないと、後のトラブルの元ですし、良い結論にもなりません。
調停だと、第三者が間に入るという形になりますから、離婚の条件は公平に近づくことになります。
★将来の養育費の支払いを確保したいとき
調停で作る調停調書があると、将来養育費の支払いが滞ったとき、相手が会社員であれば、相手の給料から養育費を天引きするような強制執行も可能になります。
★協議して決めた離婚条件を公的な書面にしたいとき
調停は、夫婦で揉め事があるときにしか使えないものではありません。
協議で離婚できるときも、協議で決めた条件を公的な文書にするために、調停を利用するのはよい方法です。
調停で作る調停調書は、裁判の「判決」と同じ効力があります。つまり、お金の強制的な取立てが可能になります。
★離婚後のトラブル
一度養育費を決めたが、後に失業した。再婚した。子供が増えた。など、一度決めた金額が不適切になれば、改めて調停で養育費の金額を決めることができます。
子供との面接の条件を決めたのに、守ってもらえない。また改めて調停で話し合うことができます。
離婚のとき、なにも離婚の条件を決めずに離婚してしまった。今からでも調停すれば、間に合うかもしれません。
このように、離婚の後でも、調停を利用することができます。
そのような調停は、実際にかなり多く行われています。
さあ、いくつか例を挙げました。
調停をすべきかどうか、判断はできたでしょうか。
まだ判断がつかない人は、家庭裁判所の家事相談コーナーで相談してみることをオススメします。もちろん弁護士でもOKです。
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