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池袋東口法律事務所


3.実戦!離婚裁判
(1)離婚裁判のすべて

1.裁判とは何か?

 協議離婚ができず、調停も不成立のとき、最後の手段は裁判です。裁判とは、よくテレビで見る、あの裁判です。統計では、離婚する人の1%が裁判で離婚しています。

 裁判は、協議離婚や調停と違って、話し合いではありません。また、一部を除いて、公開の法廷で行われるので、無関係な人に見られます。

 裁判は、法律で決められた手続きに従って行います。通常自分ではできないので、弁護士を雇って戦います。


2.裁判で勝つには?

 裁判で離婚するには、法律で決められた「離婚原因」の証明が必要です!

 なお、相手が離婚原因になる事実を認めるなら、証明は不要です。

★離婚原因
・不貞行為
 浮気や不倫のこと。肉体関係に限ります。

・悪意の遺棄
 「妻は何も悪くないのに夫が生活費を渡さない」とか、「夫は悪くないのに妻が家事をしない」とかいう場合です。

・3年以上の生死不明
 失踪して帰らない、戦争に行って戻らないとか…。

・回復が見込めない重度の精神病
 相手が重度の精神病の場合。ただし、できる限りの看病や支援をすることが必要です。

・結婚を継続できない何か重大が理由がある
 性格の不一致、夫の暴力、性生活の拒否、嫁姑問題、アル中、借金、宗教、etc..。ただし、いずれも程度がひどくて、結婚が続けられない場合に限ります。


3.証拠とは何か?

 裁判で離婚するには、上記の「離婚原因」を証明するために、「証拠」が必要です。ここが調停との一番大きな違いです。ある事実について、実際にあったことを証明するものを証拠といいます。弁護士と相談し、証拠を準備しましょう。

 証拠には、モノと、人のコトバがあります。例えば、夫が浮気した事実を証明する証拠には、「夫と愛人がラブホテルに入る写真」や、「夫の浮気の事実を認める、愛人の証言」などがあります。

 証拠には、いい証拠と、悪い証拠があります。(専門用語で『証拠価値』といいます。)

 いい証拠とは、事実があったことが間違いなく証明できる証拠です。例えば、「夫と愛人がラブホテルに入る写真」は、夫と愛人が不倫したことを間違いなく証明する証拠だといっていいでしょう。

 悪い証拠とは、事実があったかなかったかよくわからない証拠です。例えば、「夫と愛人が食事をしている写真」は、この写真だけでは、2人の不倫関係は証明できません。2人は単に仲が良いだけかもしれず、肉体関係があるかまではわからないからです。もっとも、こんな写真でも、ないよりはいいです。

 裁判では、いい証拠が必要です。何がいい証拠かというのは、代表的なものを下記に挙げておきますが、素人判断せず、詳しくは専門家に相談して下さい。

★いい証拠(○は一般的にいい証拠と考えられるものです。)
【DV(家庭内暴力)の場合】
・○医師の診断書

・○ケガの写真

・○暴力を受けた日々が書かれた日記
 なお、ここだけの話、日記に人に見られたくないような秘密が書いてあればあるほど、「これは本当だな」と読み手に思わせ、真実味が出て、いい証拠になる、という話があります。調停委員や裁判官には守秘義務もありますし、日記には恥ずかしい話でもどんどん書いて、いい証拠にしましょう。後から自分で読んで感慨深い日記にもなりますし?

・△暴言・暴力があったことを証言する隣人の証言・供述書

・×暴力を受けたというあなたの証言
 裁判ではあなたも証言することになりますが、あなたの証言だけでは、相手が否定すると、証明はなかなかできません。

【浮気の場合】
・○相手と愛人がラブホテルに入る写真で、写っているのが本人とわかるもの

・○浮気があったことを証言する、愛人の証言・供述書

・△相手と愛人とがやりとりした手紙で、浮気の事実が記されたもの
 なお、メールだと偽造の可能性が出てきてしまうので、そこが問題ですが、手紙同様に証拠として認められるケースも多いようです。

・×あなたの女の勘、または男の勘、第六感
 笑い事ではありません。実際はこういう超能力しか証拠がないことがあるのです。仮にその能力が優れたものだったとしても、残念ながら、第三者には通用しません。



4.裁判で離婚ができない!?

 離婚原因があることを証明すれば裁判で離婚できるわけですが…。

 この離婚原因を作ったのが自分なら、離婚は認められません!

 例えば、浮気をした夫が、自分の浮気を離婚原因として、妻に裁判で離婚を求めることはできません!

 法律的に悪いのは自分で、相手は悪くないからです。裁判しても、「離婚を認めない。結婚を続けなさい」という判決が出ることになります。

 ただ、悪い方からの裁判でも、実際上、もう仲直りが不可能なので、裁判所も仕方なく離婚を認めることがあります。

 下記のような条件を、全て満たす場合には、悪い方からの裁判でも、認められるかもしれません。

★悪い方からの裁判で離婚が認められる条件
・夫婦の別居が、同居期間と比較して、かなり長期になった
・夫婦に小さな子供がいない
・相手が離婚により生活できなくならない


 なお、双方に離婚原因がある、つまり双方が悪い場合には、自分が多少悪くても、相手の方が悪ければ、裁判で離婚は可能です。


5.知っ得!?離婚裁判!

★チェックポイント!離婚裁判
・裁判に欠席すると?
 裁判で負けます…。

 裁判は、協議離婚や調停と違って、話し合いではないので、自分の主張をしなければ、相手の主張が通るだけです!

 無視とかサボリは絶対禁物。

・自分が離婚原因を作ったが、離婚したい!?
 3.の条件を満たす場合以外、裁判での離婚は無理です。協議離婚か、調停で、相手と合意をして下さい!


 離婚で裁判までいくことは少ないです。

 でも、他の方法で離婚するときにも、「もし裁判になったらどうなるか?」ということは、大きな目安になります!

 つまり、裁判すればこちらが勝てそうなら、相手は不利な条件でもOKせざるをえないですよね。裁判になったら負けるのがわかりきっているのですから…。

 逆に、裁判すればこちらが負けそうなら、こちらが譲歩した方がいいのでしょう。裁判になったら負けてしまいます。

 ですから、協議離婚や調停のときにも、自分達の離婚に「離婚原因」があるか、裁判になったらどちらが勝つのか!?考えて!

 裁判の見込みは、調停委員や弁護士に相談してみるのもいいかも!?

 ただ、裁判は時間とお金がかかります!

 勝てるとわかっていても、気軽に裁判には踏み切れません。

 できれば協議離婚や調停で済ますのが、お互いにとって一番です。




実戦!!離婚の仕方!?

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