池袋の弁護士に法律相談
離婚の相談お気軽に
池袋東口法律事務所


4.離婚後の生活設計
(1)離婚後の生活費

1.離婚後、生活費どうする?

 女性にとって離婚後に直面する問題の中で、一番の心配事は、生活費のことではないでしょうか。

 男性で仕事がある人や、女性でも仕事をしていて収入があり、子供がなく、資産がある人は何も問題ありません。

 しかし、特に専業主婦の女性が離婚したとき、生活費をどうするかは、頭の痛い問題です。

 ただ、助けがないわけではありません。特に母子家庭になると、様々な支援があります。


2.離婚後、仕事どうする?

 上手に離婚をして、財産分与と、時には慰謝料、毎月の養育費を貰えたとしても、それだけでは長期的な生活費に足りないと思います。

 やはり、仕事が必要です。生きていくためには、仕事をしないといけません。仕事をして給料で足りない分の生活費を補いましょう。

 お住まいの地域によって就職事情は違うでしょうが、通常、求人誌やインターネットで探したり、ハローワークで紹介してもらいます。

 育児や家事があるため就職しにくい人向けには、「両立支援ハローワーク」というのもあります。地元のハローワークに問い合わせてみて下さい。

 また、離婚して再婚もせず、自立していこうとすると、仕事はこれから一生の関わりになります。女性向けに勧められ、ある程度稼げる仕事は、例えば下記のようなものでしょうか。

★女性が自立可能な仕事
・保険の外交員
 ノルマが厳しいですが、女性が大活躍しています。母子家庭のお母さんも多いです。

・医療事務

 長く安定して働くには、医療関係は良いです。医療事務は資格が必要ですが、取り易い難易度です。お金と時間的余裕のある方は、数年単位で考えて、看護師を目指すというのも非常に良いと思います。

・宅建
 不動産会社、特に賃貸の会社では、常に一定の募集があります。一般的に、資格があるからといっても、未経験では就職につながらないことも多いのですが、宅建はいつも需要があるので就職に役立つ資格です。

・介護やヘルパー
 人手不足の業界ですから、少し勉強すれば、就職のチャンスは大きいです。介護は向き不向きはあると思いますが、やりがいがある仕事です。これから高齢化社会ですから、職に困ることはないでしょう。他には、保育士という職もありますね。女性が活躍しています。

・地域密着の仕事

 例えばヤクルトおばさんなど。朝早くの仕事なので、子育てと両立できます。地元にも仕事はあるかも?サイトで探すよりも、地域情報誌をチェックして下さい。

 就職事情は、地域により、かなり異なります。都市部なら、派遣でもいい職があることがあります。しかし地方では、なかなか職は見つからないようです。最悪、転居も必要かも…。親類知人友人を頼ることも必要!

 不況ですから、就職活動は大変です。5社や10社くらいの書類落ちも今は普通です。それはあなたに何か問題があるということではなくて、みんなそうなんです。頑張るしかありません!

※離婚ワンポイント!
 計画的に離婚するなら、資格を取ったり、職を見つけてから離婚するのが安心!

3.所得税/住民税は安く

 離婚した女性は、仕事をして所得税や住民税を納める時に、「寡婦控除」とい、税が年間数万円くらい安くなる制度があります。

 条件は下記ですが、確定申告や年末調整のときに、当てはまるかどうか、税務署や会社に聞いてみて下さい。

★寡婦控除の条件
・離婚した後結婚していない女性が、親族や生計の同じ子供(所得38万以下)を扶養している場合

・離婚した後結婚していない女性が、前年の合計所得500万以下の場合

 他に、寡婦特別控除、男性の場合は寡夫控除というのがあります。

 なお、年金保険料については、収入が少なければ免除/一部免除になります。


4.母子家庭向け支援!!

 以下は母子家庭の支援制度です。

★児童扶養手当
 18才未満の児童のいる母子家庭や父親のいない家庭などが対象です。

 児童1人の場合1万〜4万2370円、児童2人で〜47370円。

 毎年手当額の変動や制度変更があるので、正確な金額は問い合わせて下さい。子供の数や、父からの養育費も計算に入れた収入により金額が変わります。下記は目安です。

 なお、この手当を受けると、一緒にJRや公営バスが安くなったりします。申請する時に聞いてみて下さい!

 児童扶養手当のポイントは、申請しないと支給されないということです!!絶対忘れずに申請しましょう!

・収入130万,子1人の場合
 月額4万2370円
・収入365万,子1人の場合
 月額1万

★児童育成手当
 18才未満の児童のいる母子家庭などが対象です。自治体によりますが、児童1人あたり13500円程。

 児童の数だけ金額が掛け算されます。所得制限があります。

★ひとり親家庭医療助成
 18歳未満の児童のいる母子家庭が対象です。医療費の自己負担部分がほぼなくなります。

 申請が必要です。所得制限があります。

★母子福祉資金
 20歳未満の児童のいる母子家庭や,昔そういう母子家庭だった女性が対象です。経済的に自立するためのお金を無利子・低金利で貸してくれます。相談先は福祉事務所です。

★母子寮、公営住宅
 18歳未満の自動を養育している母子家庭が子供の養育困難なときに入れる寮があります。また,公営住宅では母子家庭については優先入居させてくれる制度があります。

(★児童手当)
 これは母子家庭に限った制度ではありませんが重要なので書いておきます。自民党と民主党の争いで最近コロコロ制度がかわっており今後も変わる可能性がありますが,最近の情報だと3歳未満1人につき1万5千円、3歳〜12歳の第1子第2子が1万円、第3子以降1万5千円、中学生は一律1万円で、年収917万を超えてくると所得制限がかかる場合があるようです。コロコロ制度をかえないでもらいたいですよね。安心して受給できません。

 この他にも、地元の自治体が独自に運営する制度があるかもしれません(東京都であれば「児童育成手当」)。役場に問い合わせて下さい。
5.一時しのぎには不用品処分!

 一時的にお金に困ったときは、持ち物を売るのが、誰でもできる一番簡単なお金の作り方です。

 例えば、昔集めたちょっとしたコレクションなど、ネットオークションでその筋の人に、案外いい値段で売れることがあります。

 一度家の中を見回してみて下さい。売れそうなものの一つや二つは、きっとあるんじゃないかと思います。

 離婚で使わなくなるものも沢山あるでしょう。使わないもの、不用品は早めに処分しましょう。少しでも新しいと、ちょっとは高く売れます。

 地方の方で近くにお店がなくても、全国買取サービスをやってるところもありますから、探してみて下さい。

 売りやすいのは、DVDソフト、ゲーム、ブランド品などです。一番お金になるのは車ですね。車は経費もばかになりません。不要なら売りましょう。都会なら、車を持つより、必要なときにタクシー使った方が安いです。ただ、車は手放せない地方も多いですね。

 買取してくれるお店が見つからないときは、ヤフオク(ヤフーオークション)で売るのも良い手です。


6.最終手段、生活保護!?

 生活保護は、憲法により保障された、国民の最低限度の文化的な生活を確保するための制度です。

 どうしても生活が厳しい、特に、小さい子供がいる母子家庭のような場合は、生活保護が受けられるかもしれません。地元の福祉事務所に相談して下さい。

 ただ、行政の怠慢もあって、必ずしも利用しやすい制度にはなっていません。審査が厳しく、プライバシーが侵害されます。車などの財産を処分しないといけないこともあります。

 最近、自治体が窓口で生活保護の申請を妨害して、生活保護を受けられるはずの人が生活保護を申請できない、というひどい話がニュースになりました。

 生活保護の申請には、腰をすえて臨む必要があります。弱腰ではダメです。一度断られても、何度も行くくらいの気持ちが大切!

 状況によっては、弁護士や公益的なNGOに相談することが必要かもしれません。

 生活保護の申請もご相談ください。池袋東口法律事務所


7.知っ得!?離婚後の生活費!

★チェックポイント!離婚後の生活費!
・母子家庭かどうかで事情が違う
 離婚した後に、母子家庭になるのか、そうではないのかで、事情は全然違います。

 子供がいないなら、基本的には、自分で仕事をして生活していくことになるでしょう。

 母子家庭なら、母子家庭向けの支援制度を使って、仕事と子育ての両立ということになります。

・支援制度を調べて!
 所得の少ない人向けには、ここに書いたことに限らず、いろいろな支援があります。

 例えば、学生支援機構(昔の日本育英会)は、子供の学費を無利子または低金利で貸してくれます。

 大学の学費は、子供本人を奨学金の借主にして借りられます。学生支援機構は親族の保証人を求められますが、保証人が立てられない人向けに機関保証という会社を保証人とする制度もあります。つまり、親にお金がなくとも、将来子供本人が働いて返せばいいわけです。簡単に子供の進学を諦めないで下さい。(私も、奨学金で大学に行きました。やっぱり返済は大変ですけどね。)

 また、いろいろな企業で、生活が厳しい人を援助するサービスをしています。地元自治体独自の制度もあるかもしれません。

 貧しいからと諦めずに、アンテナを広げて、うまく支援を利用していけば、明るい未来はきっと…!?


 一番深刻な問題、離婚後の生活費!

 離婚後の生活が心配で、離婚しない人もいるくらい…。

 でも、すべて考えた上で、離婚するかしないかは、あなたの決断です!!

 決断した後は、行動あるのみ!やればなんとかなります! 



離婚前に考えること

離婚のすべて