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池袋東口法律事務所

2.実戦!離婚調停
(4)資料作成のポイント


 あなたは、調停で、他人である調停委員に、あなたの家庭の事情を理解させなければなりません。

 口だけで説明するのはなかなか難しいです。

 資料の用意は義務ではありませんが、良い結果を得るために、予め資料を作っていくことをオススメいたします。


★調停での資料の役割

 調停で必要な資料は、裁判で言う「証拠」ではありません。

 例えば、調停に、あなたが探偵に依頼して収集した100ページに及ぶ相手の浮気の証拠をもっていっても、おそらく調停委員は中身を見てもくれないでしょう。

 というのも、そんな時間はないですし、そもそも調停で証拠を確認する必要はあまりないのです。

 何度も書いていますが、調停は「話し合い」であって、裁判ではないからです。

 だから、例えば相手の浮気の証拠があるのだとしたら、調停では「私は相手の浮気の確実な証拠を持っています」と調停委員に伝えれば、それで十分なのです。それで調停委員は、あなたが相手の浮気の証拠を持っているものとして、話を進めてくれます。例えば、相手方に、「向うは浮気の証拠を持ってるそうですから、浮気を認めてはいかがですか」と話してくれます。

 (ここが調停と裁判との違いです。もし裁判なら、証拠の中身を詳細に確認して、浮気があったのかなかったのか、判断していくことになります。)

 あ、もし重要な証拠があるのだとしたら、一応調停にもっていくのはいいと思いますよ。調停委員にチラリと見せるだけでも、あなたの話に説得力が出てきますから。


★資料作成のポイント

 では、調停で必要な資料とは一体どんな資料でしょうか。

 これは二つあります。

 一つは、あなたが調停で話すときに、自分で話すことを確認するための手元のメモです。言いたいことを予めまとめておきましょう。これはあなたが好きなように、ご自由に用意してかまいません。

 もう一つは、調停委員に渡すための資料です。

 この資料は、短くて、わかりやすい資料でなければなりません。

 特に決まりがあるわけではないですが、大き目の字で、A4の紙、2枚か3枚に、要点だけまとめていくと丁度いいんじゃないかと思います。

 2枚か3枚というとかなり少ないですから、そんな少なくてよいのか?と思われるかもしれません。

 しかし、これでも多いくらいなのです。というか、あまり多いと、せっかく作っても、調停委員はそれを読んでくれません。調停委員がそういった資料を読む義務もないですし、第一、調停では、読む時間があまりありませんから。

 調停は、基本は口頭での説明ということなんですね。あくまでそれを助ける意味で、簡単な資料を渡す。そういうイメージです。

 (なお、調停委員はいろいろな方がいて、中には完全に資料を嫌がる人がいます。そういう人は全く資料を受け付けません。そういう人に当たってしまったら、資料は無駄になってしまいますが、、まあそれは仕方ない、一応熱意だけは示せた、と思って頂くのが良いとおもいます。。。変な話ですけどね。現状そうなっています。でも、資料は用意した方が良いと思いますよ。特に初回は必ず。話の進め方の主導権を握れることもありますからね。)


★資料の中身

 それでは、調停委員に渡す資料には、どのようなことを書いたらよいのでしょうか。

 調停の目的にもよりますが、下記のようなことが基本です。(調停の目的により、不要な内容もあります。)

・あなたと相手の情報
 氏名、年齢、仕事、年収、心身の健康状態など。初対面の調停委員ですから、最低限の情報として必要です。鬱病など、何か病気があるときは、予め知らせましょう。配慮してもらえます。

・子供の情報
 子供がいる方は、子供の年齢、学校、今どこに住んでいるか、心身の状態など。

・あなたと相手の実家の状況
 両親が健在か、両親の生活具合など。

・財産状況
 特に財産分与の必要のある調停の場合、財産の細かい情報が必要になります。貯金、不動産、保険、株式、ゴルフ会員権、車、など、夫婦の資産状況を全てリストアップして下さい。借金の状況もです。長くなるときは、別紙にまとめるのが良いです。これはおおざっぱでなく、細かく詳しく書いてください。これに漏れがあると、財産分与に漏れができてしまうかもしれませんから。夫婦の資産状況がよくわからないときは、調停の前に予め調べておく必要があるかもしれません。

・なぜ調停を申立てたか
 離婚調停ならば、なぜ離婚しなければならないか、理由を簡単に。

・結婚生活の経緯
 2人の出会いから、今に至るまで、簡潔に書きましょう。時系列にまとめるのがよいです。「何年何月結婚」「何年何月妻パートを始める」「何年何月夫浮気」みたいに。重要な事件については、そのときの状況を簡単に書きましょう。

・あなたの今の希望
 あなたがこれからどうしたいのか。離婚ならどういう条件で離婚したいのか。慰謝料、財産分与、親権、養育費、等の条件を書いてください。

・その他
 例えば、浮気の証拠があるとか、重要なことが何かあれば、関係事項を書いてください。
 

上記の内容は、決まりがあるわけではありません。調停の内容によって組み換えて、要点を伝える資料を作ってください。口で説明できることは書かなくてもよいです。

 繰り返しますが、長すぎる資料は良くありません。読んでもらえませんから。2回目以降で、調停委員のタイプが判明していて、この人は資料を読んでくれそうだな、というときは、多少長くなってもよいでしょう。



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